窓辺に飾った花に水を遣って
とても静かな部屋には今 私一人だけ。
レースのカーテンを開けて 背伸びをして
また一日が始まる

もうどれくらい経ったのでしょう
貴方がこのドアを閉めていってから。
今頃どうしてるでしょう。
今はどんな町にいるの
とんがり屋根が並んでる街?
それとも雪が溶けない北の國?
温かくして 怪我にも気を付けて。

My Dear...
貴方をずっと待ってる 夜
『おやすみなさい』を言っても
『おやすみ』って貴方の声が
いつもと違って返ってこないから
少し 少しだけ 寂しくて…
いつも貴方が 旅先から送ってくれる絵葉書を
何度も 何度も 読み返して…
眠たくなるまで…
おやすみ。おやすみなさい…
またね。また明日……

懐かしい夢を見たの
二人で庭のブランコに乗って
危ないのに二人乗りをして
あとでママに叱られたけれど
でも楽しかった時のこと。
空高く 飛んでいきそうなくらい
風をきって漕いでいた
ちょっと怖かったけれど 楽しい悲鳴を上げてた
今もある 大分ボロくなったブランコ
今座ったら きっと壊れてしまうかな。

何処までも続く 青い空を見上げて
My Dear...
貴方が別の場所で同じ空の下にいるんだって
そう思うとなんだか嬉しくて
少し 少しだけ 背伸びをして
深呼吸して 草の匂いを吸って
何度も 何度も
唄が好きだった貴方が教えてくれた あの唄を 唄いながら
散歩にでも行こうか
持っていくものは…
お気に入りの帽子と
大好きな貴方の唄。

貴方が帰ってきたら
真っ先に見せたいものがあるの
貴方が教えてくれた唄を
上手に唄えるようになった私と
長い間書き貯めた
私から貴方宛ての この手紙
















inserted by FC2 system